ADHD息子と英語学習の10年|「英語は武器になる」と思っていた私が手放したもの

ADHD

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中学2年生になった今。

英語は、ADHDの息子にとって苦手な教科の一つになっている。

でも私は以前、

「英語は、この子の武器になるかもしれない」

そう信じていた。

日本語の読み書きや、勉強で苦手なことが多い息子。

それでも、もし英語を話せるようになれば、将来の選択肢が広がるかもしれない。

そんな期待を抱いたのは、小学校高学年の頃だった。

英会話スクールの見学。

オンライン英会話。

アクティメソッドというタイピング英語学習。

思いつくことは、いろいろ試した。

でも、

思い描いていた未来にはならなかった。

今日は、ADHDの息子と英語学習に向き合ってきた約10年を振り返ってみたい。


大人になって、数学の難しい計算式を使う場面は、私にはあまりなかった。

でも、英語が話せたら、世界はきっと広がる。

海外の人と話せる。

仕事の選択肢も増える。

学校の勉強が苦手でも、英語なら。

今から本気で取り組めば、言葉だから身につくかもしれない。

そんな期待を持っていた。

だから、英語に触れる機会を増やそうと、いろいろな英語学習を試すことにした。


息子が取り組んだ英語学習はこんな感じだった。

  • ベネッセしまじろう幼児英語教室(年長)
  • 近所の英語教室(小学1年〜小学3年夏)
  • QQ Kidsオンライン英会話(小学6年・約3か月)
  • アクティメソッド(小学6年・約3か月)

その時その時で、

「これなら続くかもしれない。」

そう思えるものを選んできた。


小学3年生になると、学校では書くことや宿題が一気に増えた。

ADHDの息子にとって、

単語を書く。

スペルを覚える。

ノートを書く。

そういった学習は、日本語の読み書きの苦手さも重なり、とても高い壁になった。

そして、小学1年生から通っていた英語教室は辞めることになった。

その後、小学6年生。

中学校で英語が始まることも考え、もう一度チャレンジしてみようと思った。

まず始めたのが、QQ Kidsのオンライン英会話だった。

QQ Kidsは、フィリピン人講師とのマンツーマンレッスンが受けられるオンライン英会話サービスだ。

キッズ向け教材が充実していて、先生も選べる。
無料体験やお試し期間料金もとてもリーズナブルだった。

「これなら息子にも合うかもしれない。」

そんな期待があった。

でも、インプットが十分にない息子に、アウトプットは難しかった。

先生の簡単な英語も理解できず、レッスンはなんとなく受けるだけ。

結局、続かなかった。

それでも諦めきれなかった私は、次にアクティメソッドを始めた。

アクティメソッドは、英単語を見ながらキーボードでタイピングし、音・スペル・意味を同時に覚えていく英語学習法だ。

英語とタイピングを同時に学べること。

そして、タイピングスキルも身につくこと。

書字が苦手な息子には、とても合っているように思えた。

実際、紙に書くより負担は少なく感じていた。

それでも、ここでも思わぬ壁があった。

タイピングそのものが、とても苦手だったのだ。

普通の子より入力がかなり遅い。

スペルを見て、一時的に記憶し、キーボードで入力する。

その一連の作業が、とても難しそうだった。

おそらく、ワーキングメモリーの弱さも影響していたのだと思う。

できないわけではない。

でも、習得するまでに人より時間がかかる。

その現実を、私は少しずつ受け入れるようになった。


今になって思う。

息子には、

勉強として英語を覚えるより、

生活の中で自然に英語に触れる環境の方が合っていたのかもしれない。

もちろん、これは息子の場合だ。

同じADHDでも、人によって得意なことも学び方も違う。

でも、学校で**「書いて覚える」英語**は、息子にとってとても高い壁だった。

好きな映画から英語に興味を持てないかと思い、

大好きな『トップガン』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を英語で観るよう勧めたこともある。

けれど、それだけで自然に英語が身につくほど簡単ではない。

私自身、それはよく分かっている。

もちろん、英語を諦めたわけではない。

将来、本人が「やりたい」と思ったときに始めればいい。

その頃には、AI翻訳や音声翻訳も、今よりもっと進化しているだろう。

だから私は、

「今、無理をしてまで英語を武器にしなくてもいい。」

そう思えるようになった。

もちろん、今まで取り組んできた時間や努力を思うと、

正直、残念な気持ちもある。

でも、もう英語でなくてもいい。

息子らしい形で世界を広げられたら、それで十分なのだと思う。

親が思い描いた未来ではなく、

本人が選ぶ未来を応援できる母でいたい。

そうなりたいと思っていても、実際には期待してしまうこともある。

だから簡単ではない。

それでも、親の期待を少しずつ手放しながら、

息子の人生は息子のものなのだと、自分に言い聞かせている。

今は、そう思っている。


ADHDの息子と10年間、英語学習に向き合ってきた。

英会話教室。

オンライン英会話。

アクティメソッド。

どれも、思い描いていた結果にはならなかった。

それでも、決して無駄だったとは思っていない。

親として期待したからこそ見えたことがあり、

手放したからこそ見えた景色もあった。

英語が武器にならなくてもいい。

息子らしい武器を見つけられたら、それで十分だ。

私は少し後ろから、その挑戦を応援できる母でいたいと思う。

※この記事は、わが家での体験をもとに書いています。ADHDの特性や英語学習の合う・合わないには個人差があります。

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