ADHDのある中学2年生の息子。
夏休み前に、特別支援教室の先生との面談と、息子・担任の先生との三者面談があった。
今回、私が相談したかったのは、学習習慣や提出物、整理整頓のこと。
そして、高校進学に向けて、これからどんな力を身につけていけばよいのかということだった。
息子には、何度言ってもできないことがある。
勉強の計画を立てる。
決めたことを始める。
最後まで続ける。
プリントをなくさずに管理する。
提出物を期限までに出す。
これまで家庭でも、本人に予定を決めさせたり、曜日ごとのルーティンを作ったり、「毎日15分だけやろう」と声をかけたりしてきた。
けれど、どれもなかなか続かなかった。
結局、私が毎日「今日はこれをやろう」と声をかけ、できていなければまた言う。
その繰り返しになり、息子も嫌になり、私も疲れてしまった。
息子が勉強をするかどうかは、最終的には本人の問題だと思っている。
ただ、息子の場合は、単に「やる気がない」「面倒だからやらない」というだけではないように感じていた。
計画を立てる。
取りかかる。
続ける。
進み具合を確認する。
こうした実行機能の難しさも関係し、勉強に取り組むまでのハードルが高くなっているのではないか。
そう考えると、必要なのは「もっと頑張りなさい」と言い続けることではない。
できない部分を補うための、具体的な仕組みと支援なのだと思った。
もちろん、家庭で私が支援できればよいのかもしれない。
けれど、息子は反抗期でもあり、私からの声かけや支援を素直に受け入れることが難しくなっている。私が声をかけるほど反発され、親子関係まで悪くなってしまうこともある。
そこで今回は、限られた面談時間の中で伝え忘れがないように、家庭で困っていることと学校にお願いしたい支援をA4用紙1枚にまとめ、特別支援教室の面談に持参した。

特別支援教室で、これまで支援してもらったこと
息子は、小学生の頃から特別支援教室(通級)を利用している。
これまで取り組んできたのは、気持ちの伝え方や自己理解、カバンやロッカーの整理整頓など、主に学校生活を送るうえで必要になること。
中学生になった今も、先生と一緒に定期的にカバンの中身を整理してもらっている。
放っておくと、カバンの中には、ぐしゃぐしゃになったプリントや、もう必要のない紙、ごみまでたまっていく。
「カバンを片づけて」と言われても、すぐには動けない。
何から始めればよいのか分からないのか、声をかけただけでは、なかなか取りかかれない。
特別支援教室では、片づけの時間になると、毎回決まった音楽を流しているそうだ。
今では、その音楽が流れると、息子は自然にカバンを取り出し、片づける動作に入れるようになったという。
整理整頓が得意になったわけではない。
それでも、「この音楽が流れたら片づける」という合図があることで、特別支援教室の中では自分から動けている。
何度も「片づけなさい」と言われるより、動き出すためのきっかけが決まっているほうが、息子には分かりやすいのかもしれない。
できるようにするより、できる仕組みを作る
教室の机の中については、以前、担任の先生にも相談した。
そこで、机の真ん中に仕切りを作り、片方には学校に残しておくもの、もう片方にはそれ以外のものを入れることにした。
この仕切りを作ったからといって、いつもきれいに整理できるわけではない。
それでも、何も決まりがない状態より、「こちらには学校に置いておくものを入れる」と意識できるだけでも違う。
音楽を片づけの合図にする。
机の中に仕切りを作る。
先生と一緒に、定期的にカバンの中身を確認する。
息子は、こうした周囲のフォローと仕組みづくりによって、何とか整理整頓をしている。
それでも、家に持ち帰ってきたプリント類はぐちゃぐちゃだ。
必要なものと不要なものを分け、残すものを本棚に収めるところまでは、今も私がやっている。
以前は、いつか本人が一人でできるように、繰り返し練習させなければいけないと思っていた。
でも今は、すべてを自分でできるようにさせることだけが正解ではないと思っている。
本人にとって難しいことがあると理解したうえで、必要な部分は私が手伝う。学校でも、先生や仕組みの力を借りる。
これから先も、何でも一人でできることを目指すのではなく、必要なときに周囲のフォローを受けながら生活していければいい。
整理整頓への支援を見て、学習についても同じように「本人が取り組みやすくなる仕組み」を作れないかと考えるようになった。
面談でお願いした、学習を続けるための支援
家庭で勉強が続かないことについて、先生から何かを指摘されたわけではない。
それでも面談では、息子の実行機能の難しさを踏まえ、計画を立てるところと進み具合の確認を支援してもらえないか相談した。
先生は私の考えを理解し、とても協力的に対応してくださった。
まず、次の特別支援教室の時間に、息子と一緒に夏休みの宿題の計画を立ててもらうことになった。
計画するのは、合理的配慮によって量を調整していただいた宿題だ。
作成した計画表はラミネート加工し、さらに学校のタブレットにも保存して、本人がいつでも確認できるようにしてもらった。
紙だけでは、なくしてしまう可能性が高い。
計画を作って終わりではなく、息子が実際に確認できる方法まで考えてもらえたことが、とてもありがたかった。
また、夏休みだけでなく、2学期以降はテスト前の提出物も見据え、特別支援教室で一緒に計画を立ててもらえることになった。
一日単位、あるいは一週間単位で「ワークのどこまで進めるか」を具体的に決め、次の特別支援教室で、できたかどうかを確認してもらう。
家庭で私が毎日声をかけても、なかなか続かなかった。
けれど、先生と計画を立て、次の週に進み具合を確認してもらう仕組みがあれば、息子も少しずつ見通しを持って取り組めるかもしれない。
「本人の問題だから」と放っておくのでもなく、親がすべて管理するのでもない。
息子が動き出しやすくなる仕組みを、学校と一緒に作っていくことになった。
三者面談で聞けた、学校での息子の姿
特別支援教室の面談後には、息子と担任の先生との三者面談もあった。
担任の先生からは、学校生活全般に意欲的に取り組んでいると聞いた。
係活動にも積極的で、秋の合唱コンクールに向けた練習でも、クラスの中で一番と言っていいほど大きな声を出して取り組んでいるそうだ。
提出できていない課題はいくつかある。
それでも、各教科の先生から「息子だけが特に問題になっている」という話は聞いておらず、授業には基本的にきちんと参加できているとのことだった。
家では、どうしても出せていない提出物や、取り組めなかった勉強に目が向いてしまう。
しかし学校では、係活動や行事にも前向きに参加し、授業にも取り組めている。
その話を聞けたことは、親として少し安心できる材料になった。
「全部やる」ではなく、「少しでも出す」
もちろん、今後の課題についても話した。
今回のテストでは、美術・音楽・家庭科などの暗記が必要な教科に、ほとんど取り組めなかった。
ただ、これらはきちんと準備すれば、点につながりやすい教科でもある。
そこで2学期は、最初から諦めず、暗記系の教科にも少しずつ取り組んでみようという話になった。
また、授業の振り返りなどの提出物については、書くことが思いつかないからといって何も出さないのではなく、まずは一行でも書いて提出することを目標にした。
完璧に書けなくても、白紙のまま出さないより、一行書いて出す。
そのことを先生と息子と一緒に確認し、本人とも約束して面談を終えた。
2つの面談を終えて思ったこと
特別支援教室の面談では、学習計画や整理整頓など、息子が一人では難しい部分を補う仕組みについて相談した。
一方、担任の先生との三者面談では、提出物などの課題だけでなく、学校生活に意欲的に取り組んでいる息子の姿も知ることができた。
できないことは、まだたくさんある。
けれど、すべてを本人の努力だけでできるようにしようとしなくてもいいのだと思う。
音楽、机の仕切り、タブレットに保存した計画表、先生による毎週の確認。
そうした小さな仕組みと周囲のフォローがあれば、できることもある。
親がすべて先回りして管理するのでもなく、本人ができないまま放っておくのでもない。
息子が動きやすい仕組みを一緒に作り、必要なところでは誰かを頼る。
今回の2つの面談を通して、高校進学までに身につけてほしいのは、「何でも一人でできる力」ではなく、苦手なことを自分なりの方法や周囲の助けで補いながら生活していく力なのかもしれないと感じた。
これから高校について考えていくときも、苦手なことだけに目を向けるのではなく、本人が興味を持っていることや、どのような環境なら力を発揮しやすいのかを大切にしたい。
周囲の支援を受けながら、本人なりの方法で前に進んでいける場所を、息子の意思も確認しながら一緒に探していきたいと思う。
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