当時の私は、かなり疲れていた。
息子との毎日は、
小さな衝突の連続だった。
勉強のこと、
学校のこと、
生活のこと。
どうしていいのか、
分からなくなっていた。
ADHDについて調べる中で、
「療育」という言葉を知った。
通院や投薬だけではだめだ。
私にはもう手に負えない。
療育を受けたい。
息子を、
何とかしてもらえないだろうか。
そんな思いで、
市役所に話を聞きに行った。
そこで、
放課後デイサービスという場所について
説明を受けた。
実際に見学に行き、
話をしてくれた職員の方は、
ADHDについてとても理解が深かった。
息子の困りごとを伝えると、
すぐに特性を理解し、
放課後デイサービスではどんな支援ができるのかを
丁寧に説明してくれた。
その子に合わせた支援計画を作り、
一人ひとりに合った支援を行っているという。
私は、
藁にもすがる思いで、
すぐに通所を決めた。
当時、毎日の大きな困りごとの一つが
宿題だった。
息子には、
「宿題をやらなければいけない」という意識が
ほとんどなかった。
私にはそれがどうしても理解できず、
大きなストレスだった。
放課後デイサービスで
宿題に取り組み、
終えて帰ってきてくれる。
それだけで、
私自身はかなり救われた。
他にも、
スケジュール管理を視覚的に教えてくれたり、
場面に応じた適切な行動について
アプローチしてくれたりした。
しかし、
環境には大きな問題があった。
他に通っている子の中には、
騒いだり、暴れたりする子も多く、
施設の中はかなり騒がしかった。
息子は、
そういう環境に強いストレスを感じていた。
障害のある子どもを受け入れる場所なのだから、
仕方ないのかもしれない。
そう思い、
半ば諦めていた。
それでも通っているうちに、
「こんなにストレスの強い環境に
通い続けることが、
本当に息子にとっていいのだろうか」
そう思うようになった。
当時は、
見学したのはその一か所だけだった。
自宅から近かったこともあり、
そこに通所することを決めた。
でも、
他の放課後デイサービスも
探してみよう。
そう決めて、
インターネットでいろいろと調べ始めた。
そのとき参考になったのが、
「リタリコ」というサイトだった。
調べていくうちに、
放課後デイサービスにも
それぞれさまざまな特徴があることを知った。
それまで私は、
どこも同じような場所だと思っていた。
でも実際は、
施設ごとに雰囲気も支援の内容も
まったく違っていた。
そして、
複数のデイサービスを
併用することもできる。
それも、
そのとき初めて知った。
さらに、
近隣の自治体のデイサービスでも、
送迎が可能であれば
通うことができることを知った。
通える範囲を広げ、
じっくり調べ、
問い合わせもしてみた。
そして、
隣の市の放課後デイサービスを見学し、
今は転所して、
二か所の放課後デイサービスに
通っている。
一つは、
学習塾が運営する「シュウエール」という放課後デイサービス。
学習支援を行うことが特徴の施設だ。
一人ひとりの認知特性を理解し、
スモールステップでつまずいているところに戻り、
「できる」を増やして自信につなげてくれる。
学習時間は基本的に30分ほど。
短いように感じるかもしれないが、
特性上、それ以上の学習は集中が続かない。
むしろ、
その30分がとても有効だと感じている。
実際、
自宅ではその30分さえ
取り組めないことが多い。
やっと取り組めても、
5分や10分で終わってしまうこともある。
もう一つは、
「はびねすジョブ」という
就労準備型の放課後デイサービス。
小学校高学年以上を対象とし、
SSTやPCスキルなどにも取り組んでいる。
低学年の子がいないため、
施設は比較的落ち着いた雰囲気で、
息子も安心して過ごせているようだ。
放課後デイサービスを利用していて、
良いと感じることがいくつかある。
・学校以外の居場所ができること
・特性を理解した上で支援してもらえるため、保護者にとっても相談できる場所になること
・土曜日や長期休みに利用できること
長期休みには、
イベントや外出の機会も多く、
いろいろな体験をさせてもらっている。
家にいると、
どうしても好きなことだけをして
一日が終わってしまうことも多い。
そういう意味でも、
とてもありがたい場所だと感じている。
放課後デイサービスに通うようになって、
「家庭と学校以外の場所」のありがたさを
感じるようになった。
発達障害の子育ては、
親だけで抱えるものではないのだと思う。
相談できる場所があり、
息子を理解してくれる大人が
家族以外にもいる。
それだけで、
親の気持ちは少し軽くなる。
今、息子は
放課後デイサービス
特別支援教室
通院している病院
いくつかの場所に
支えられている。
これからも、
こうした場所に助けてもらいながら
歩いていくのだと思う。
✎ この記事は「ADHD息子ヒストリー」シリーズです
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習い事の紆余曲折|ADHD息子ヒストリー④うまくいかない理由がわからなかった頃
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好きは力になる|ADHD息子ヒストリー⑥見えた「得意」を伸ばす
▶ ヒストリー一覧
・① 恐竜博士だった息子|ADHD息子ヒストリー①興味ドリブンの幼少期
・② 幼少期に感じていた違和感|ADHD息子ヒストリー②癇癪と過集中
・③ WISC検査で見えた息子の特性|ADHD息子ヒストリー③特性が見えた日
・④ 習い事の紆余曲折|ADHD息子ヒストリー④うまくいかない理由がわからなかった頃
・⑤ 母の限界と放課後デイサービス|ADHD息子ヒストリー⑤はじめての外の支え
・⑥ 好きは力になる|ADHD息子ヒストリー⑥見えた「得意」を伸ばす


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