ADHDのある中学2年生の息子。
高校進学が、少しずつ現実のものになってきた。
けれど、息子が自分から高校について調べたり、進路について話したりすることはほとんどない。
通信制高校について調べるのも、資料を取り寄せるのも私。
この夏、息子と一緒に星槎国際高校立川の体験イベントに参加した。
実際に学校へ行けば、息子の気持ちも少しは動くのではないか。
私の中には、そんな期待があった。
一般的な進路の準備が難しい息子
周囲では、塾や受験勉強を意識する子も増えている。
けれど息子にとっては、
- 毎日の勉強を続ける
- テストに向けて計画的に取り組む
- 提出物を管理する
- 自分で学校について調べる
ということ自体が難しい。
だから私たち夫婦は、通信制高校という選択肢を前向きに考え始めた。
息子が無理をせずに通い続けられる学校はないか。
安心して過ごせる場所はないか。
まずは親である私が、いろいろな学校について調べてきた。
三者面談で「そろそろ自分でも進路を考えよう」と言われた
1学期の三者面談では、担任の先生から息子に、
「そろそろ自分でも進路について考えていこう」
と声をかけてもらった。
中学2年生になり、高校進学は少しずつ現実のものになっている。
先生に言われたことで、息子も少しは自分から考え始めるのではないか。
そんな期待があった。
けれど、その後も特に変化はなかった。
自分から高校について調べることもない。
どんな学校へ行きたいのか、話すこともない。
まだ自分のこととして、高校進学を想像できていないように見えた。
特別支援教室の保護者会で星槎を知った
星槎国際高校立川を訪れるきっかけになったのは、7月に開かれた特別支援教室の保護者会だった。
その日は、特別支援教室に通う子どもの保護者に向けて、いくつかの高校の担当者が説明に来ていた。
通信制高校の星槎や、都立のチャレンジスクールなど。
それぞれの学校の特色や学校生活について、担当者から直接話を聞くことができた。
その中で、私が特に惹かれたのが星槎だった。
息子のような特性のある子への理解があること。
学び方や活動の選択肢が多く、興味のあることを学校生活につなげていけそうなこと。
一般的な高校の枠に無理に合わせるのではなく、その子自身を見てもらえそうなところにも魅力を感じた。
ここなら、息子も自分らしく高校生活を送れるかもしれない。
説明を聞きながら、私はそんな希望を持った。
実際に見に行けば、息子の気持ちも動くかもしれない
ただ、このとき星槎の説明を聞いたのは親のみだった。
息子自身は、星槎がどのような学校なのかを知らない。
資料を見せるだけでは、高校生活を具体的に想像するのは難しいのかもしれない。
それなら、実際に校舎へ行ってみよう。
先生や生徒の雰囲気に触れれば、息子も少しは興味を持つかもしれない。
「ここなら通ってみたい」
そんな気持ちが芽生えるかもしれない。
ちょうど夏休みに体験イベントが予定されていたため、親子で参加することにした。
参加したのはシール転写の工作体験
今回参加したのは、シール転写の工作体験だった。
工作自体は、初めてでも参加しやすい内容だった。
校舎の中を見ることはできたものの、授業や普段の学校生活に触れる体験ではなかった。
そのため、今回の体験だけでは、星槎で送る高校生活を具体的に想像するところまではいかなかった。
工作体験のあとには、職員の方との個別相談の時間があった。
学校生活のこと。
カリキュラムのこと。
息子の特性のこと。
私は、保護者会で説明を聞いたときから気になっていたことを質問した。
けれど、隣にいる息子は自分から質問することもない。
話に加わろうとする様子もなく、とても退屈そうに見えた。
自分が通うかもしれない学校の話なのに。
また私だけが話している。
そのことが、どうしようもなく虚しかった。
学校へ行けば何かが変わると思っていた
実際に学校へ足を運べば、息子も少しは前向きになると思っていた。
「こんな授業をやってみたい」
「この学校なら通えそう」
「ほかにはどんな学校があるのか知りたい」
そんな言葉が聞けることを、どこかで期待していた。
けれど、息子の反応は、
「いいんじゃない?」
という程度だった。
資料を取り寄せたのも私。
学校について調べたのも私。
体験を予約したのも私。
個別相談で質問したのも私。
息子の進路なのに、私だけが動いている。
自分の将来のことなのに、なぜもう少し真剣に考えようとしないのだろう。
そう思うと、腹立たしさもあった。
この先も、ずっと私が調べて、考えて、道筋を作らなければならないのだろうか。
正直、嫌になった。
まだ「自分で選ぶ」準備ができていないのかもしれない
息子は、進路について何も考えていないというより、
- まだ高校生活を具体的に想像できない
- 何を基準に学校を比べればよいのか分からない
- 選択肢が増えるとかえって考えられない
のかもしれない。
息子はもともと、先のことを具体的にイメージし、見通しを立てるのが苦手だ。
ADHDの特性も、大きく関係しているのだと思う。
息子には、まだ自分の進路として考える準備ができていないのかもしれない。
けれど、そうも言っていられない。
あと1年もすれば、中学校卒業が現実のものとして見えてくる。
だからといって、親がいつまでもすべてを背負えるわけでもない。
今回の訪問で、進路が大きく前に進んだ感覚は正直あまりない。
ただ、息子が今どの段階にいるのかは、少し見えた気がする。
私が学校を決めるのではない。
かといって、すべてを本人に任せるのも、今の息子には難しそうだ。
選択肢をいくつかに絞って見せる。
実際に学校へ足を運ぶ。
そこで感じたことを、一つずつ一緒に言葉にしていく。
息子が自分で選べるところまで、親が支える必要があるのだと思う。
けれど、どこまで親が支え、どこから本人に委ねればよいのか。
どのような問いかけなら、息子自身の気持ちを引き出せるのか。
まだ答えは出ていない。
誘導したくはない。けれど、任せるだけでは前に進まない。
その間をどう歩いていけばよいのか。
私たちの進路選びは、始まったばかりだ。
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